終活と言えば真っ先に思い浮かべるのがエンディングノートではないでしょうか。
終活=エンディングノートの作成と思っている人も多いのではないかと思います。
本屋に行くと「老後」や「遺言・相続」のコーナーに必ずと言っていいほど並んでいるエンディングノート
色んな出版社から発売されていて、エンディングノートだったり、もしもの時に備えるノートなど言い方もそれぞれですが、内容は殆ど同じです。
先日の本屋での出来事。
エンディングノートのコーナーに2人の高齢女性がいらっしゃいました。
そのうちの1人がノートを手に取り、中身をペラペラと捲ります。
「私はこんなにも書くことがないわ」と言ってノートを閉じ、その場を去っていきました。
これ、凄くよくわかるんです。
エンディングノートって結構書くこといっぱいなんですよ。
なまじノートを購入してしまうと全部埋めなければいけないような気になるのですが、そんなことはありません。
今回はエンディングノートについて、基本的なことを書いてみたいと思います。
わざわざエンディングノートを購入しなくても、普通のノートに書けばいいのでは?と思う人もいると思います。
ですが、僕はエンディングノートを購入することをお勧めします。
エンディングノートの良いところを紹介していきますので、参考にしてくださいね。
エンディングノートに書く内容
市販されている様々なエンディングノートを見ると、おおよそ以下の内容を書くことになっています。
自分のプロフィール
自分のプロフィールを記入します。
プロフィールの中に持病がある人は病気のことについて書くノートもあれば、別枠で持病等について書くノートもあります。
特定の薬を飲んでいる人は、薬のことについても記入します(別枠で設けてあるノートもあります)
介護の際に参考になるのかなと思います。
親族関係
親族関係や連絡先を記入します。
介護施設などが親族に連絡を取る際や、葬儀の際に親族の連絡先が分からないようなことにならないようにしておくためです。
介護に関する希望
自宅介護を望むのか施設入所を希望するのか、介護に関する希望などを書いておきます。
葬儀やお墓に関する希望
家族葬や一般葬などの葬儀に関する希望やお墓に関する希望などを書いておきます。
遺言の有無
遺言状を作成している場合は遺言状の有無を書いておきます。
財産や負債について
自分が持っている預貯金やそれ以外の資産(株などの金融資産含む)と自分が抱えている負債(ローンなど)について書いておきます。
預貯金・金融資産・負債はそれぞれ別枠になっていることが多いです。
保険や年金について
加入している保険や年金(特に個人年金)のことについて書いておきます。
インターネットや電話などの契約状況
インターネットや電話などのサービスについて、どこの会社と契約を結んでいるかを書いておきます。
解約や料金見直しの際、契約している会社がわからなくて困る人、意外と多いのでは?
サブスクサービスも一緒に記入しておきましょう。
SNSについて
利用しているSNSのアカウントIDやパスワードを書いておきます。
楽しかったことなど人生の振り返り
自分の人生を振り返って楽しかったことを書いたり、この先の人生でやってみたいことを書いたりします。
上記以外にも、ペットがいる場合はペットのこととかクレジットカードについて、所属している団体があれば団体のことなどを書いておく感じです。
もちろん、ノートの全てを埋める必要はありません。
ですが、普通のノートを購入してエンディングノートを作ろうと思うと、内容が散らかってしまい見にくくなってしまいます。
エンディングノートは項目別になっているため、書きやすく見やすいのが特徴です。
いざという時に誰が見ても分かりやすく書かれているエンディングノートを使ってもしもに備えるのが良いのではないでしょうか。
こんなことも書くの?エンディングノートの不思議項目
エンディングノートには必須だなと感じる項目以外に「本当にこんなこと書かなきゃいけないの?」と感じてしまう項目もいくつかあります。
そんな「なぜ?」について僕なりの考えを書いてみたいと思います。
楽しかった思い出や、やってみたいこと
一番疑問に感じる項目がこれではないでしょうか?
この先やってみたいことや、楽しかった思い出のことを書くことに意味があるのか?とか、何となく書くのが恥ずかしいとか思っちゃいますよね。
この先の人生でやってみたいことを書き出すことで、生きる活力になるのではないかと思います。
普段の生活においても、心の中で思っているだけよりは口にしたり書いたりすることで実行まで移せることが多いと思うんですよね。
書くことで目標がより明確化して、実行するために具体的に計画したりすることで生きる活力や気力が生まれるのではないでしょうか。
楽しかった思い出を書くことは、あらためて人生を振り返ることになりますし、自分死後に家族がノートを見た時に家族が自分との出来事を振り返るきっかけにもなります。
書くのは恥ずかしいと感じると思いますが、できれば書いておくと良いのではないでしょうか。
仲のいい友人の情報や所属団体について
特に書く必要もないかなと思いますが、特に仲の良い友人には自分が死んだことを伝えてほしいとか、思い入れのある団体に伝えてほしいなどの要望がある人もいるのではないかと思います。
最終的には遺族の判断になるかと思いますが、自分の希望として残しておくことはできるのではないかと思います。
SNSアカウント
今やシニア層や高齢者もSNSを利用する時代です。今後は、全世代がSNSを利用しているのが当たり前の時代になっていくのではないでしょうか。
X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSアカウント、人によっては本アカとサブ垢を使い分けているのではないかと思います。
デジタル遺品という言葉がありますが、SNSのアカウントもデジタル遺品の1つです。
長い間放置されているアカウントは乗っ取られてしまい犯罪に使用されてしまう可能性もあります。
アカウントのID・パスワードを書いておくことで、アカウントを削除できるようにしておきましょう。
クレジットカードについて
今は電子マネーやアプリの時代なのでクレジットカードを何枚も作る人は少ないのかもしれませんが、昔は会員登録をしてクレジットカードを作る人も多かったのではないでしょうか。
カードによっては、クレジット機能はないけれど、年に1回会員手数料が引き落としになるようなカードを持っている人もいるかと思います。
そのようなカードを持っている人はしっかりと解約手続きをしておかないといけません。
場合によっては自分の死後に家族や代理人が手続きをすることもあると思いますので、特に複数枚クレジットカードを持っている人は情報を記入しておいた方がいいかと思います。
書こうが書かまいかどちらでも良い内容もあります。
エンディングノートを記入する際に、必要かどうかは自分の判断になりますが、できれば書いておいた方がいいのではないかなと思います。
忘れちゃいけない連絡先
親族や家族の連絡先はしっかりと記入しておきましょう。
いざという時、家族はお互いの連絡先も分かるでしょうし、家族のLINEグループをもっているご家庭もあるかと思いますが、親族関係になるとどうでしょうか?
兄弟姉妹はともかく、祖父母や叔父や叔母・甥や姪の連絡先って知らない人が多いのではないでしょうか。
親族に連絡を取りたいけれど、連絡先が全然わからない…
いざという時はパニック状態になっていることもあります。エンディングノートに親族の連絡先を叱りと記入しておくことで、スムーズに連絡がとれるようにしておきましょう。
エンディングノートには法律上の効力はない
エンディングノートはあくまで自分のことや介護などの希望について書かれているノートでしかありません。
家族に伝えたいことを記入する項目があるノートもありますが、それは法的な効力を持つ遺言にはなりません。
死後の遺産分割などについてきちんとしておきたい人は、エンディングノートとは別で所定の手続きに則った「遺言状」を作っておきましょう。
ノートには遺言状の有無を記入する欄があります。
遺言状を作成した人は、そのことをノートに記載しておきましょう。
エンディングノートを書くにあたって気をつけたいこと
エンディングノートを記載するにあたり、気をつけておきないことをいくつか挙げてみたいと思います。
ノートの存在を話しておく
エンディングノートを書いていること、どこに保管しておるかを伝えておきましょう。
せっかく書いても必要な時に上手く活用されず、遺品を整理していたら見つかったとかだとノートを作成した意味も少なくなってしまいます。
家族全員に話しておく必要はないかもしれませんが、誰にも伝えないのはよくないと思います。
普段から家族間のコミュニケーションも大事ですね!
持ち歩いて書かない
ノートには個人情報を書く欄があります。
カフェなどで書くために持ち歩くのはやめましょう。
基本的には家で書くようにしてください。
持ち歩くことで、無くしてしまった時に個人情報が他人にバレてしまいますし、クレジットカードの情報を記載してある場合などは個人情報漏洩以上のリスクが発生する可能性もあります。
繰り返しますが、ノートは家で書くようにしてください。
エンディングノートはいつから書くの?
エンディングノートは具体的にいつ頃から書くのがいいのか?
特に決まりはありませんので、書きたいと思った時から書けばいいと思います。
一気に全ての項目を埋める必要もないので、必要な時に必要なことを追加で書いていくのが良いと思います。
また、口座やSNSを解約したり、ローンが終わって負債が無くなったりなど、記載時から情報が変わってしまうこともあります。
その時は情報を消去しておきます。(二重線で消したり、済と書いたり)
終活に興味を持ったら、まずは書店に行って様々なエンディングノートを手に取ってみてはどうでしょうか?
その中から、自分が書きやすいを思ったノートを購入して、少しづつ完成させてみてはどうかなと思います。
もしもの時に役立つノート、人生の振り返りにも役立つノート、終活の1つとして自分なりのエンディングノートを作ってみてはどうでしょうか。
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